- Home>
- 後悔しないジュエリー選び：ジュエリーを知る
ジュエリーを知る
ジュエリーの価値は、身に着けて美しさを楽しみ、心地良さを感じることにあります。誰でも、美しく良質のジュエリーを身に着けたいと思っています。
もし購入したものの品質が良くない事がわかったら、それを身に着けようという気持ちが薄れてしまいます。ジュエリーの品質は構想と素材の良し悪し、造りの丁寧さできまります。宝石は自然によって創り出され、その品質は自然によって支配されています。
一方、ジュエリーは人間が考えて作り出すものなので、お店やメーカーが品質を決めているといっても過言ではありません。
『ジュエリーは何を買うかよりも、誰から買うかが大切である』といわれているのは、品質は一見わかりにくいものなので、売り手を選ぶことが大切であり、一度買うと長く持つものなので失敗しないようにという意味の格言なのです。
構想と素材の良し悪し
ジュエリーを取り扱うお店とメーカーは品質に対して責任があります。
素材の良い宝石を選び、着け心地の良い丁寧なジュエリーを造るように、仕入れ先やデザイナー、技術者を確保して実践するからこそ、結果として良いジュエリーが生まれるのです。
宝石を生かしたジュエリー造りは、「構造、石留めの可能性を熟知し、宝石の美しさと組み合わせの効果を考える」ことから始まります。
住宅では、土台の強度、設備の機能と省資源への配慮、その土地の気象などの条件に適した屋根の傾斜や窓の取り方など、基礎からよく考えられているのが優れた設計で、住み心地が良いものです。ジュエリーも同じで最適な重量、爪の本数と強度、石座の絞り方、針などの太さ・サイズ、宝石の配列など全体のバランスがよく考えられているのが優れた構想で、着け心地が良いものです。
造りの丁寧さ
家を建てるとき、素晴らしい設計図があっても、施工がお粗末だと住み心地の良い家はできません。
完成してみたら床面が地面より低かったり、傾いていたり、建て付けが悪くて扉がきちんと閉まらなかったりしてはいただけません。ジュエリーにも同じようなことがあります。
指輪の着け心地が悪かったり、貴金属の面の仕上げが悪かったりすることがあります。これは、技術者の経験と力量不足によるものです。ジュエリーの造りの良し悪しは比較すると明らかです。
左側の画像のa,b部分は、どちらも地金の厚みが十分ではなく、長年繰り返し着けていると変形する可能性があります。それに比べ右側は、程良く地金の厚みがあり、リング内側に丸みを持たせ、着け心地良さに配慮しているジュエリーです。この商品は、長年繰り返し楽しむことができます。優れたジュエリーは、宝石が単に上から押さえられているのではなく、構造に美しく組み込まれて、多少のことでは動いたり落ちたりしないものです。
ジュエリーは、基本的に手で作られます。宝石を留めるのが手作業だからです。その石留めが宝石の美しさを引き出し、すくなくとも邪魔しないように、また着用性を損なわないようにされているかどうかが造りの良し悪しの重要ポイントです。
現在、多くのジュエリーは鋳造法が取り入られた工業製品です。
鋳造法は１９６０年代から日本でも本格的に普及した技術で、改良に継ぐ改良でその品質は世界のトップレベルにあります。
鋳造法は、まず元型を造ります。ジュエリーの造り、扱いを知り尽くした熟練した職人でなければできません。しかし、安く売られている多くの商品は、身に着けるお客様の立場を考えない、見栄えとコストだけを追求した元型造りをしています。ペンチで押さえれば止まるような爪、強く握れば変形してしまうリングの地金の厚みなど、チェックするところが分かれば簡単にわかります 。
