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- ジュエリーができるまで:量産ジュエリー(キャスト)

ロスト・ワックス・キャスティング法
ジュエリーのロスト・ワックス・キャスティング法は、戦後アメリカで発達し、日本は昭和40年以降に隆盛したジュエリー製作法です。この方法での特徴として、ゴム型の開発により量産を可能にし、ジュエリー製作の低コスト化に貢献したことが挙げられます。ファッションジュエリーの多くは、この製造方法を使ってます。
(1)原型作り

原型は、手作りの工程と同じで宝石を留める前状態で完成です。主にシルバーで加工します。
(2)ゴム型作り

アルミニウムの枠に、柔らかいシリコンゴムを敷き原型を置き、更にシリコンゴムをかぶせて原型を挟みます。
(3)ホットプレス

アルミニウムの枠に入れたシリコンゴムをホットプレス機で徐々に加圧、加熱していきます。
(4)ゴム切り、原型取り出し

硬くなったシリコンゴムを、型が崩れないように段差を付けて、メスで切り開いて原型を取り出し、ワックスを注入する空間を作ります。出来上がったのがゴム型です。
(5)ワックス注入

溶けたワックスが入ったワックスポットの注入口にゴム型をあて、ワックスを流し込みます。
(6)ワックスパターンの取り出し

溶けたワックスがゴム型の中で、固まったら取り出します。これをワックスパターンと言います。
(7)ツリーの製作

ゴム製の円すい台に、複製したワックスパターンを取り付けます。湯道(溶解した金属を流し込む経路)に沿ってワックスパターンを木(ワックスツリー)のように付けます。
(8)埋没剤の流し込み

ワックスツリーをステンレスリング(筒)で固定し、埋没剤を流し込み、脱泡します。
(9)電気炉による脱ろう、焼成

ステンレスリングを電気炉に入れ、徐々に温度を上げます。ツリー状になっているワックスパターンが溶け、金属を流し込む空洞ができます。さらに温度を上げワックスを完全に燃やし、そして埋没剤を焼成し、鋳造しやすい状態にします。
(10)鋳造(キャスティング)

埋没剤の中にできた空洞に高温で溶解した貴金属を流し込むのが鋳造です。鋳造方法には、いろいろありますが、遠心力や圧力を使った鋳造法が一般的で、鋳型に強制的に流し込みます。
(11)鋳造完成

鋳造後、水中に入れて急冷すると埋没剤が崩れ、鋳造したツリーが現れます。そして湯道を切り取ります。
(12)量産ジュエリーの枠の出来上がり

湯道を切った貴金属を磨きます。これで空枠(ジュエリーの土台)が完成です。後はデザインによって、宝石を留め仕上げてジュエリーとなります。